上司からセクハラされて最終的に裁判を起こしました

当時の私は22歳で大学を出たばかりで、大学卒業後に入社した会社がいわゆるブラック企業。

とある国家資格が取れる大学に通っていたので、その資格を活かして働けられる会社に入社しました。

休みは日曜だけの週6日出勤で1日8時間の勤務ですが、毎日残業もあり、平均3時間ほど残業していましたが手当ては全く付きませんでした。

給料は手取りで15万いかないくらいです。

私がその会社で担当する業務は、資格を利用する従来の仕事とは少し違っていて、資格自体を新しい切り口で活かす仕事でした。

どんな仕事か簡単に言うと、市町村が発注を行なう事業を入札して、運営管理を行うというもので、私が取った資格はその中でいつか使える可能性があるものでした。

入社した会社は比較的規模の大きい株式会社で、全国にホテルや寮を運営管理しているのが主な業務になります。

他にも新たな事業を展開していて、私が入った部署はその中の一つです。

その部署は地方都市の小さな支店で、会社が運営してる建物の一室に部屋があり、そこで働くのは部長職の60代の男性上司1人と20代の女性上司が1人、そこに私と他数名の社員がいました。

上司からのセクハラに悩む・・

私はまだ実践的なスキルの無い新卒のペーペーでしたが”専門職の資格がある”ということで「期待している」と男性上司に何度も言われていたので、必死に身を粉にして頑張って働いていました。

仕事は期待されていたこともあって、現場周りや今後の事業展開のために必要なところなど色んなところに「一緒に付いていくように」と言われ、私は男性上司の秘書のように常に行動を共にしていました。

他の社員が一緒に行くこともたまにはありましたが、殆どは男性上司と私の2人での行動が多かったです。

男性上司はよくこんなことを言っていました。

「お前に期待している。」

「お前は必死に頑張るできた子だからいつか伸びる。だから期待に応えられるように頑張れよ。」

「伸びないやつは最初から分かる。そういうやつにいくら教え込んでもだめだ。お前は伸びるやつだから色々教えてやる。」

正直言って、この「期待している」という言葉は新人の私にはもの凄く重かったですね。

期待に応えようと必死に頑張ってはいましたが、自分では実力を全く感じられないのに期待だけが先回りしているのですから・・

そういった期待を持たれているというのもあり、「男性上司が目をかけてくれているなら、それを裏切ってはいけない」と自分を追い込んでしまっていたのです。

マッサージと称して体を触ってくる

そしてある日、狭い支店の一室に2人きりで仕事をしていた時に、男性上司が疲れている私にマッサージをしてやると言ってきたのです。

私は正直言って、付き合っているわけでもなんでもない男性に身体を触られることに抵抗感がありましたが、相手は自分を目にかけてくれている上司、断り方によっては「失礼にあたるかも・・」と思い、やんわりと「いえいえ、○○さんにそんなことはさせられません!」と断りました。

ですが、男性上司は「女性上司にも時々やってあげているんだ」と言いながら押し切ってマッサージをしてきたのです。

その時、明らかにマッサージとは関係のない、ギリギリのところを触られてしまいました。

文句も言えない立場、関係性だったので、正直気持ち悪くて泣きたかったですが、怖くて何も言えませんでした・・只々、愛想笑いをするしかなかったのです。

そのマッサージをしてからというもの、スキンシップもどんどんエスカレートしていき、車で2人きりで行動している時は私の手を握ってきたり、私のことを可愛いと言ってくるようになりました。

勤務は週6日、唯一休める日曜日にも上司から電話が鳴ります。

時には休日にも臨時出勤で男性上司と2人きりで行動することになることも度々ありました。

只でさえ、出勤している日は毎日10時間以上はザラに働いているのに、そこに上司からのセクハラ。

休日までセクハラしてくるような上司と行動を共にしなければならないという異常な状態でした。

男性上司はこの支店のトップ営業マンで、本社の方でも実績と経験などが評価されている実力者でもあり、ある意味やりたい放題できたのです。

当時を振り返ると普通の精神状態ではなかった

不思議なことに、私はそれをセクハラだと薄々分かっているのに、感覚が麻痺してしまっていて、「上司は純粋に部下に好意を向けているだけで、私の受け取り方が悪いのかもしれない」と思ってしまっていたのです。

何でセクハラだという事に気付くことができなかったのかなと考えると、それはきっと仕事の拘束時間が長く、とても忙しかったことで、「まともな状況判断ができる状態ではなかった」ということも理由の1つだと思います。

彼氏に打ち明けてみた

そしてある日、私の様子が最近おかしいという事に彼氏が気付き、会社であったことを包み隠さず話したことで事態は大きく変わりました。

彼が「それはセクハラだし、それに甘んじている私はおかしい。」

彼氏として「不愉快だし、そんなことをされて平気でいる君が信じられない」と言われ目が覚めたのです。

それからは怒涛の展開だったので、正直言って辛くて、記憶が抜けているところも多々ありますが、まず上司のセクハラの証拠を押さえるために彼が用意してくれた録音機器をこっそり持ち歩き、証拠を確保しました。

その証拠を手に労働基準監督署に勤務状況の問題点や上司からのセクハラについて悩んでいることを相談しに行きました。

セクハラによる被害は裁判沙汰に

そして「徹底的に戦おう!」という事で、弁護士を立てて裁判を行ないました。

もちろん、ここまですんなりと進んだわけではなく、準備に相当時間がかかりました。

私はその間、会社をほぼ強制的に辞めて家にいました。

辛かったことが多く、その日々をあまり思い出すことができないのですが、今でも頭から離れないのは、上司からセクハラの内容を聞かされた時の母親の悲しそうな、悔しそうな、怒ったような複雑な表情です。

一人前になりたくて頑張ったのに何でこんなことになってしまったのか・・

裁判では相手側が本社と組んで反論してきました。

私が「マッサージされたりして喜んでいた」、ということを言っていると聞いた時、はらわたが煮えくり返るような思いでした。

「年上好きでもない20代の女が、プロのマッサージしでもない60代の男に身体を触られて喜ぶはずがないだろう!」

「相手の立場が強すぎて反抗できなかったことは誰でも分かるだろう!」

と叫びたかったです。

裁判は慰謝料が払われたことで終了したが・・・

幸い、その裁判は私の主張が認められ、慰謝料が払われて終了しましたが、慰謝料の金額よりも失った時間や物の方が圧倒的に多かったです。

時間も職歴も、仕事に注いでいた努力も熱意も、全て戻っては来ません。

その時に付き合っていた彼氏とも揉めた時に別れてしまいましたし、裁判の一件以来、男性不信になってしまいました。

必要以上に近づかれると身体が硬直してしまうのです。

なので、男性が隣に座るかもしれない電車やバスには極力乗らないようにしています。

いまだに当時を思い出して胸が苦しくなる時があり、裁判で判決は出ていても、私の心の中ではまだ問題は終わっていないのだと感じています。

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